8の字結び目

曖昧さ回避 この項目では、数学的な性質について説明しています。実際の結び目については「8の字結び」をご覧ください。
8の字結び目の射影図

8の字結び目(はちのじむすびめ、Figure-eight knot)または四結び目とは、位相幾何学の一分野である結び目理論において、交点数が4の唯一の結び目である。右図はその射影図のひとつ。

カール・フリードリヒ・ガウスの弟子のヨハン・ベネディクト・リスティングが熱心に研究したことから、リスティングの結び目(Listing's knot)と呼ばれることもある。

8の字結び目の性質

  • 両手型結び目である。つまり、鏡像と等しい。
  • 可逆である。つまり、正逆どちらの向きをつけても等しい。
  • 素な結び目である。つまり、自明でない結び目同士の合成によって得ることはできない。
  • 交代結び目である。つまり交代射影図を持つ(右図の射影図は交代射影図である)。
  • 交点数(射影図の交点の数の最小値)は4である。交点数が4の結び目は8の字結び目以外には存在しない。
  • 結び目解消数(結び目を解くために最低限必要な交差交換の回数)は1である。
  • 組み紐指数は3である。
  • 2本橋結び目である。つまり、橋指数(射影図の最長上道の本数の最小値)は2である。
  • 結び目の種数(その結び目のザイフェルト曲面の最小種数)は1である。
  • ジョーンズ多項式 t 2 t 1 + 1 t + t 2 {\displaystyle t^{-2}-t^{-1}+1-t+t^{2}} である。
  • アレクサンダー多項式 t 1 + 3 t {\displaystyle -t^{-1}+3-t} である。
  • 3次元球面 S3 に対する補空間双曲体積は約2.0298であり、これはすべての双曲結び目の中で最小である[1]

他の形態で

脚注

  1. ^ Chun Cao and Robert Meyerhoff, The orientable cusped hyperbolic 3-manifolds of minimum volume, Inventiones Mathematicae, 146 (2001), no. 3, 451–478. MR1869847

参考文献

  • C・C・アダムス著、金信泰造訳 『結び目の数学』 培風館、1998年。ISBN 978-4563002541。
  • 村杉邦男 『結び目理論とその応用』 日本評論社、1993年。ISBN 978-4535781993。
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