スズカフェニックス

スズカフェニックス
2008年11月1日 京都競馬場
欧字表記 Suzuka Phoenix[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 2002年3月29日(22歳)[1]
抹消日 2008年12月4日
サンデーサイレンス[1]
ローズオブスズカ[1]
母の父 Fairy King[1]
生国 日本の旗 日本北海道平取町[1]
生産者 稲原牧場[1]
馬主 永井啓弐[1]
調教師 橋田満栗東[1]
厩務員 児玉武大(持ち乗り調教助手)[2]
競走成績
生涯成績 29戦8勝[1]
獲得賞金 4億4767万8000円[1]
勝ち鞍
GI 高松宮記念 2007年
JpnII 阪神カップ 2007年
GIII 東京新聞杯 2007年
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スズカフェニックス(欧字名:Suzuka Phoenix2002年3月29日 - )は、日本競走馬種牡馬[1]

2007年の高松宮記念(GI)、阪神カップ(JpnII)、東京新聞杯(GIII)優勝馬である。主戦騎手武豊

戦績

2歳から4歳

2004年10月10日の2歳新馬ダート戦でデビュー。単勝1番人気になるも9着に敗れる。なおこのレースにはエイシンロンバードも出走し5着となっている。その後3戦目で初勝利を挙げる。

初勝利以後は芝でのレースを続ける。3着以下に敗れることのない安定したレースを続け勝ち進み、初の重賞朝日チャレンジカップに挑戦する。しかしここで4着に敗れる。その後大原ステークスを勝利し、ふたたび重賞・富士ステークスに出走。1番人気になり、最後方から追い込むも3着に敗れた。

5歳

翌年、2007年初戦は京都金杯。武豊の騎乗停止により幸英明が代打で手綱を取るが5着に敗れる。続いて武豊に手が戻って出走した東京新聞杯では後方から鋭い追い込みを見せ、重賞初勝利を収める。さらに続いての阪急杯でも鋭い追い込みで、勝ったエイシンドーバープリサイスマシーン(同着)と差のない3着に入る。

そして高松宮記念に挑戦。初めての1200メートルという距離と、雨のため重馬場となったコースに不安があったが、中団から差しきり、GIを勝利した。

続く安田記念ではダイワメジャーと対戦。1番人気に支持されるも、前残りが連発する馬場に加え、逃げたコンゴウリキシオーが作ったスローペースで追い込み馬に不利な展開となり、直線ではよく伸びたものの前方の馬に残られ、ダイワメジャーの5着に敗れる。レース後、岩手県にある遠野馬の里に放牧された。

休養後は当初スプリント路線に向かわず、毎日王冠で復帰を予定していたが、第41回スプリンターズステークスに出走。しかし、本調子でないといわれたレースで9着に敗れ、結果次第で参戦予定だった天皇賞(秋)は回避となった。そして、スワンステークスも回避。結局、秋の最大の目標としていた第24回マイルチャンピオンシップに出走。しかしレースでは後方から追い込むが届かず3着だった。その後、阪神カップに出走する。最後の直線で他馬を差し切って勝利を収めた。

6歳

2008年、初戦は阪急杯に出走。59キログラムというトップハンデのなか、1番人気で臨むがローレルゲレイロをわずかに捕らえきれずアタマ差の2着だった。次走は武豊がドバイワールドカップミーティングへ遠征中のため鞍上に福永祐一を迎え、高松宮記念に向かう。レースはスタート直後に躓き、騎手が落馬寸前になるほどの出遅れを起こし、最後の直線で上がり3ハロン32秒7という瞬発力を見せるも届かず3着に終わった。その後、京王杯スプリングカップに出走、1番人気に推されたが、出遅れ直線伸び切れず3着に敗れた。続く安田記念では4番人気で出走し、道中10番手からレースを進め5着となった。

休養後の秋初戦はセントウルステークスに出走し、1番人気に支持されたが出遅れ8着に敗れた。10月5日のスプリンターズステークスでは、主戦騎手の武豊が同日の凱旋門賞でメイショウサムソンに騎乗するため横山典弘と新たにコンビを組んだが、ここでも出遅れ直線伸びきれず4着だった。続くスワンステークスでは1番人気に支持されるも、またもや出遅れ直線で伸びきれず4着に終わった。そして大一番のマイルチャンピオンシップでは、当日に武豊が落馬負傷したため、急遽安藤勝己に乗り替わったが、またしても出遅れ直線で進路が狭くなったことも響き8着に敗れた。レース後の11月24日に現役を引退し、12月4日に日本中央競馬会 (JRA) の競走馬登録を抹消した[3]

種牡馬時代

2009年より北海道新ひだか町アロースタッドにて種牡馬入りした。

2012年に初年度産駒がデビュー。翌年の2013年には少ない産駒の中からマイネルホウオウNHKマイルカップを制し、産駒の初重賞および初GI優勝となった。

2016年の種付けシーズンを最後に種牡馬を引退、2017年から引退名馬繋養展示事業の対象となり、功労馬としてうらかわ優駿ビレッジAERUにて余生を送ることになった[4]

競走成績

年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
[kg]
距離(馬場) タイム
(上り3F)
時計
勝ち馬/(2着馬)
2004 10. 10 京都 2歳新馬 10 7 7 1.3 (1人) 9着 武豊 55 ダ1400m(重) 1:29.5 (38.7) -4.4 ハギノグラッド
2005 1. 23 京都 3歳未勝利 15 8 15 5.1 (3人) 2着 武豊 56 ダ1400m(良) 1:25.6 (37.7) -0.1 リッチモンドガール
2. 5 京都 3歳未勝利 10 5 5 1.1 (1人) 1着 武豊 56 ダ1200m(良) 1:14.0 (36.4) -0.0 (ハギノフェリックス)
7. 10 函館 陸奥湾特別 500万下 7 1 1 8.6 (4人) 1着 蛯名正義 54 芝2000m(稍) 2:08.8 (38.7) -0.4 (ペネトレーター)
7. 30 函館 HTB杯 1000万下 14 5 8 7.6 (3人) 3着 蛯名正義 54 芝2000m(良) 2:03.4 (37.8) -0.1 マルブツライト
2006 5. 6 東京 金峰山特別 1000万下 12 1 1 5.1 (2人) 3着 蛯名正義 57 芝1600m(良) 1:33.9 (34.4) -0.1 スプートニク
6. 3 東京 葉山特別 1000万下 16 8 15 2.3 (2人) 2着 武豊 57 芝1600m(良) 1:33.9 (34.3) -0.0 ヒカルベガ
6. 17 京都 洛南特別 500万下 15 7 12 1.1 (1人) 1着 武豊 57 芝1600m(良) 1:34.4 (34.7) -0.8 (ビッグカポネ)
7. 29 函館 HTB杯 1000万下 16 2 3 1.8 (1人) 1着 安藤勝己 57 芝2000m(良) 2:01.5 (36.5) -0.2 (ピサノバスティーユ)
8. 12 札幌 札幌日刊スポーツ杯 1600万下 11 3 3 2.1 (1人) 3着 安藤勝己 57 芝1500m(良) 1:29.0 (33.4) -0.3 ロードアルティマ
9. 9 中京 朝日チャレンジC GIII 12 8 12 3.0 (2人) 4着 武豊 56 芝2000m(良) 1:57.6 (34.0) -0.2 トリリオンカット
10. 7 京都 大原S 1600万下 13 7 11 1.8 (1人) 1着 武豊 57 芝1800m(良) 1:46.1 (33.6) -0.3 ブライトトゥモロー
10. 21 東京 富士S GIII 18 7 13 3.5 (1人) 3着 武豊 56 芝1600m(良) 1:32.9 (33.3) -0.1 キネティクス
2007 1. 6 京都 京都金杯 GIII 16 1 2 8.4 (5人) 5着 幸英明 56 芝1600m(稍) 1:34.2 (34.4) -0.3 マイネルスケルツィ
1. 27 東京 東京新聞杯 GIII 15 6 12 2.8 (1人) 1着 武豊 56 芝1600m(良) 1:32.7 (33.3) -0.1 エアシェイディ
2. 25 阪神 阪急杯 GIII 16 2 3 3.8 (2人) 3着 武豊 57 芝1400m(良) 1:20.5 (33.9) -0.0 プリサイスマシーン
エイシンドーバー
3. 25 中京 高松宮記念 GI 18 4 8 4.5 (1人) 1着 武豊 57 芝1200m(重) 1:08.9 (34.6) -0.4 (ペールギュント)
6. 3 東京 安田記念 GI 18 4 8 3.6 (1人) 5着 武豊 58 芝1600m(良) 1:32.8 (34.3) -0.5 ダイワメジャー
9. 30 中山 スプリンターズS GI 16 8 15 5.2 (2人) 9着 武豊 57 芝1200m(不) 1:10.0 (36.0) -0.6 アストンマーチャン
11. 18 京都 マイルCS GI 18 6 11 8.2 (5人) 3着 武豊 57 芝1600m(良) 1:32.8 (33.8) -0.1 ダイワメジャー
12. 16 阪神 阪神カップ JpnII 18 8 17 2.5 (1人) 1着 武豊 57 芝1400m(良) 1:20.6 (34.1) -0.1 ジョリーダンス
2008 3. 2 阪神 阪急杯 GIII 16 2 4 2.7 (1人) 2着 武豊 59 芝1400m(良) 1:20.7 (34.2) -0.0 ローレルゲレイロ
3. 30 中京 高松宮記念 GI 18 1 1 2.9 (1人) 3着 福永祐一 57 芝1200m(良) 1:07.3 (32.7) -0.2 ファイングレイン
5. 17 東京 京王杯SC GII 17 7 13 1.5 (1人) 3着 武豊 58 芝1400m(良) 1:21.1 (32.9) -0.3 スーパーホーネット
6. 9 東京 安田記念 GI 18 8 17 5.3 (4人) 5着 武豊 58 芝1600m(良) 1:33.4 (34.1) -0.7 ウオッカ
9. 14 阪神 セントウルS GII 16 4 8 2.5 (1人) 8着 武豊 58 芝1200m(良) 1:07.9 (33.1) -0.6 カノヤザクラ
10. 5 中山 スプリンターズS GI 16 6 11 8.5 (4人) 4着 横山典弘 57 芝1200m(良) 1:08.3 (33.9) -0.3 スリープレスナイト
11. 1 京都 スワンS GII 16 8 15 3.2 (1人) 4着 横山典弘 58 芝1400m(良) 1:20.2 (34.1) -0.3 マイネルレーニア
11. 23 京都 マイルCS GI 18 2 3 11.0 (5人) 8着 安藤勝己 57 芝1600m(良) 1:33.1 (34.2) -0.5 ブルーメンブラット

種牡馬成績

マイネルホウオウ(2010年産)

主な産駒

太字はGI級競走

母の父としての主な産駒

  • プリンセスアリー(浦和桜花賞)

血統表

スズカフェニックス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ヘイロー系サンデーサイレンス系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

* ローズオブスズカ
Rose of Suzuka
1992 鹿毛
Fairy King
1982 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Fairy Bridge Bold Reason
Special
母の母
Rose of Jericho
1984 鹿毛
Alleged Hoist the Flag
Princess Pout
Rose Red Northern Dancer
Cambrienne
母系(F-No.) 1号族(FN:1-t) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 18.75% 3×4=18.75%(母内)、 Hail to Reason 3×5=15.63%、Almahmoud 4×5=9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ スズカフェニックス 5代血統表2017年9月11日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com スズカフェニックス 5代血統表2017年9月11日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ スズカフェニックス 5代血統表2017年9月11日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ スズカフェニックス 5代血統表2017年9月11日閲覧。


母のローズオブスズカの半兄にダービーステークス優勝のドクターデヴィアス(父Ahonoora)、全兄に高松宮杯(現・高松宮記念)優勝のシンコウキングがいる。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o “スズカフェニックス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年9月23日閲覧。
  2. ^ “唐突に星になった愛馬に、深く携わった2人のホースマンが思い出を語る”. Yahoo!. 2023年4月2日閲覧。
  3. ^ “スズカフェニックスが引退”. ラジオNIKKEI. 2022年4月23日閲覧。
  4. ^ スズカフェニックスが移動競走馬のふるさと案内所、2016年10月25日閲覧

外部リンク

日本の旗 高松宮記念勝ち馬
   

国際競走指定前:
01回(1971年) シュンサクオー
02回(1972年) ジョセツ
03回(1973年) タケデンバード
04回(1974年) ハイセイコー
05回(1975年) イットー
06回(1976年) フジノパーシア
07回(1977年) トウショウボーイ
08回(1978年) ヤマニンゴロー
09回(1979年) ネーハイジェット
第10回(1980年) リンドプルバン
第11回(1981年) ハギノトップレディ
第12回(1982年) カズシゲ
第13回(1983年) ハギノカムイオー
第14回(1984年) キョウエイレア
第15回(1985年) メジロモンスニー
第16回(1986年) ラグビーボール
第17回(1987年) ランドヒリュウ
第18回(1988年) オグリキャップ
第19回(1989年) メジロアルダン
第20回(1990年) バンブーメモリー

第21回(1991年) ダイタクヘリオス
第22回(1992年) ミスタースペイン
第23回(1993年) ロンシャンボーイ
第24回(1994年) ナイスネイチャ
第25回(1995年) マチカネタンホイザ
第26回(1996年) フラワーパーク
第27回(1997年) シンコウキング
第28回(1998年) シンコウフォレスト
第29回(1999年) マサラッキ
第30回(2000年) キングヘイロー

国際競走指定後:
第31回(2001年) 日本の旗 トロットスター
第32回(2002年) 日本の旗 ショウナンカンプ
第33回(2003年) 日本の旗 ビリーヴ
第34回(2004年) 日本の旗 サニングデール
第35回(2005年) 日本の旗 アドマイヤマックス
第36回(2006年) 日本の旗 オレハマッテルゼ

国際G1昇格後:
第37回(2007年) 日本の旗 スズカフェニックス

第38回(2008年) 日本の旗 ファイングレイン
第39回(2009年) 日本の旗 ローレルゲレイロ
第40回(2010年) 日本の旗 キンシャサノキセキ
第41回(2011年) 日本の旗 キンシャサノキセキ
第42回(2012年) 日本の旗 カレンチャン
第43回(2013年) 日本の旗 ロードカナロア
第44回(2014年) 日本の旗 コパノリチャード
第45回(2015年) 香港の旗 エアロヴェロシティ
第46回(2016年) 日本の旗 ビッグアーサー
第47回(2017年) 日本の旗 セイウンコウセイ
第48回(2018年) 日本の旗 ファインニードル
第49回(2019年) 日本の旗 ミスターメロディ
第50回(2020年) 日本の旗 モズスーパーフレア
第51回(2021年) 日本の旗 ダノンスマッシュ
第52回(2022年) 日本の旗 ナランフレグ
第53回(2023年) 日本の旗 ファストフォース
第54回(2024年) 日本の旗 マッドクール